プロダクトオーナーとプロダクトマネージャー、そしてプロジェクトマネージャーは何が違う?キャリアパスの違いなど

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
         

「プロダクトマネージャー(PdM)、そしてプロジェクトマネージャー(PjM)の違い」って何?

今回はこんな疑問に答えます。

近年、事業会社やITベンチャーで「プロダクトマネージャー(PdM)」と呼ばれる職種のニーズが高まっています。

従来は似たような役割をPM(プロジェクトマネージャー)と呼んでいましたが、PMと呼ばれる職種の業務範囲が広範すぎること、またプロダクト開発においてより専門性を求められるようになってきたことで、最近注目されています。

ではプロダクトマネージャーとはどんな職種で、なぜ必要なのか、また「プロダクトオーナー(PO)」や「プロジェクトマネージャー(PjM)」との違いはなんなのか。

混合されがちな「プロダクトオーナー」と「プロダクトマネージャー」、そして「プロジェクトマネージャー」について、実際の現場目線で違いについて説明します。

少しでも参考になったら幸いです。

こんな方におすすめ

どのようにデザイナーに依頼すれば良いか知りたいエンジニア
プロダクトマネージャーを目指していて、デザイナーとの仕事の進め方に不安がある人
デザイナーを含めたチームビルディングに悩んでいるマネージャー

プロダクトオーナー(PO)とは

プロダクトオーナー(POと略されることが多い)とは、プロダクトの方向性を決定する責任を持った職種です。

プロダクトのより上流で、どんな顧客・ユーザ(Who)の何の課題(What)を解決するのかを決定します。

どのマーケットでどんな価値訴求をしていくのか?

そしてなぜ(Why)その課題を解決する必要があるのか?

当然顧客ニーズの解像度が高くないと務まらない役割(ロール)です。

BtoCにしろBtoBにしろ、そのターゲットユーザの1番の理解者である必要があります。

BtoC領域なら自分自身がユーザでもあるとか、BtoBならその業界の経験があればより成果が出しやすいです。

プロダクトマネージャー(PdM)とは

プロダクトマネージャー(PdMと略されることが多い)は、顧客の課題をプロダクトで解決する責任を持った職種です。

プロダクトオーナーが定義した顧客(Who)の課題(What)をプロダクトでどのように(How)解決するのかを設計します。

例えば、ターゲットがプロジェクトマネージャーの製品を開発する場合、ガントチャート機能を提供するのか、リマインド機能を提供するのか、またどのような導線・ユーザ体験で課題を解決するのか、といった機能および仕様周りを設計していきます。

必ずしも自身がユーザであったり、業界の経験がある必要はありませんが、顧客からのフィードバックを取り入れたり、ユーザインタビューを重ねながら、顧客の課題を深く解決できるようなプロダクトを作り上げていきます。

プロジェクトマネージャー(PjM)とは

プロジェクトマネージャー(PdMと区別するためにPjMと略されることが多い)とは、プロダクトマネージャーが定義した要件や仕様を満たすプロダクトを実際にリリース(出荷)する責任を持った職種です。

プロダクトマネージャーが定義した仕様を元に、エンジニアへのタスクアサイン、スケジュール管理、品質管理など、まさに開発工程全体をマネジメントする役割を担います。

よく言われるQCD(クオリティ:品質、コスト:費用、デリバリー:納期)全てに責任を持ちます。

クライアントワーク(受託)の場合、プロダクトオーナー(PO)とプロダクトマネージャー(PdM)の機能はクライアント側が持ち、開発部分を受託会社が持って、フロントにプロジェクトマネージャー(PjM)が立ってプロジェクトを推進するケースが多いです。

各PMのスコープ(業務範囲)

プロジェクトの初期段階では、プロダクトオーナーが基本となる戦略(誰のどんな課題を解決するのか)を立案します。

戦略に関わる部分のため、スタートアップなどでは初期は創業CEOが務め、プロダクトが成長してきたら専任で立てる場合も多いです。

全体の「戦略」が決まると、次は「戦術」フェーズに移ります。

ここではプロダクトマネージャーが「どういう仕様であれば顧客の課題を解決できるか」という観点でプロダクト全体の設計を行います。

作業自体はさまざまなパターンがありますが、例えばコンセプトやワイヤーフレームを作り、ユーザインタビューを行なったり、デザイナーやエンジニアとプロトタイプを作りながら検証していきます。

仮説検証はプロダクトマネージャーが中心となって推進することが多いですが、大きな機能や方針などの決定は最終的にはプロダクトオーナーが責任を持ちます。

仕様が固まれば、次は本格的に開発に着手します。

その際、開発全般の進行管理とクオリティコントロールを行うのがプロジェクトマネージャー(PjM)の役割です。

どの部分をエンジニアにアサインするかの方針を決め、開発チケットの作成、実装されたもののチェック、テスト、リリースまで、プロダクト開発における「実行」の部分を全て担います。

プロダクトオーナー(PO)が「戦略」を決め、プロダクトマネージャー(PdM)が「戦術」を作り、プロジェクトマネージャー(PjM)が「実行」を推進して、相互に深く連携しながらプロダクト開発を行います。

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーを兼務させるべきでない理由

プロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(PjM)は、それぞれプロダクト開発に深く関わるため、人手が足りない会社では兼務しているケースが多いです。

しかし、プロダクトマネージャー(PdM)はプロダクトの顧客満足度を向上させ、マーケットを広げ続けることがミッションです。対してプロジェクトマネージャー(PjM)はゴールを定義し、そこに向かって効率的に開発をマネジメントしていくことが求められます。

ゴールを広げていくこととゴールに到達することを1人が同時に行ってしまうとコンフリクト(衝突)が発生します。

遅延なくリリースすることに主眼が置かれ過ぎると、ユーザにとって価値のある機能が省かれてしまう危険性がありますし、逆にエンジニアリソースを考慮せずに大きな開発を盛り込みすぎると、リリース自体が遅れてしまうということにもなりかねません。

そうなると両方の役割にトレードオフが生じ、十分なパフォーマンスが出せなくなってしまいます。

これが、プロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(PjM)を兼務させるべきでない理由です。

キャリアパスの違い

ではそれぞれの職種を担う人はどんなキャリアパスを歩んでくることが多いでしょうか。

プロダクトオーナー(PO)のキャリアパスは業種やプロダクトによってさまざまです。

自分自身がユーザである場合や、業界経験のある人がなるパターンも多いです。

しかし、業界経験がなくても、顧客にヒアリングしながら作り上げていくケースもあるため必ずしも必須というわけではありません。

とはいえ、市場や顧客についての解像度は高いことが求められます。

一方プロダクトマネージャー(PdM)には、さまざまなタイプが存在します。

エンジニア系、デザイナー系、ビジネス系など、多様なバックグラウンドを持った人材がチャレンジしています。

BtoC系ならデザイナー系、BtoBならビジネス系、ディープテック領域ならエンジニア系など、プロダクトによっても向き不向きが変わってきます。

プロジェクトマネージャー(PjM)は、よりエンジニアに近く、場合によってはアーキテクチャーや実装について議論しながら進めていく必要もあるため、エンジニアバックグランドがあった方が適任というケースが多いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は混合されやすいプロダクトオーナー(PO)、プロダクトマネージャー(PdM)、プロジェクトマネージャー(PjM)という3つのPM職種について、役割と業務内容について説明しました。

とはいえ言葉の定義は会社によって違ったりするので、あまり画一的な定義に拘らずに、現場に適した役割と権限を設計できれば良いかと思います。

今回の内容が、少しでも皆様のプロダクト開発に役立てたら幸いです。

スポンサーリンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。