20代後半から30代前半になると、鏡を見るたびに「あれ?最近、肌のハリがなくなってきた…」「なんか顔色が悪い?」と感じることが増えるかもしれません。これは、加齢とともに肌の構造を支える成分が減っていくためです。
今回は、コラーゲンと並んで重要な成分である「エラスチン」に着目し、エラスチンが減るとどうなるのか、具体的なサインや原因、そしてエラスチンを減らさないための対策について詳しく解説していきます。
目次
エラスチンとは?肌の弾力やハリを保つための重要な成分
エラスチンは、コラーゲンと同じく、肌の真皮層に存在するタンパク質です。コラーゲンが網目状に張り巡らされ、肌のハリや弾力を支える役割を担っているのに対し、エラスチンはコラーゲンの網目に伸縮性を加える役割を担っています。
想像してみてください。コラーゲンは、網目状のロープ、エラスチンはロープに付いているゴムのようなものです。エラスチンがあることで、肌は引っ張られても元の状態に戻ることができ、柔軟性を保ちます。
エラスチンが減るとどうなる?肌老化のサインをチェック
エラスチンは加齢とともに減少していきます。20代後半を過ぎると、エラスチンの生成量は徐々に減少し始め、40代以降はさらに減少が加速すると言われています。
エラスチンが減ると、肌は次のような変化が現れます。
1. シワの増加
エラスチンが減少すると、肌の伸縮性が失われ、表情ジワやほうれい線が深くなりやすくなります。特に、目尻や口角、額などのよく動く部位にシワが目立ち始めます。
2. たるみの発生
エラスチンが減少すると、肌の弾力が失われ、重力に負けてたるみが発生しやすくなります。頬や顎、首など、顔全体がたるんで見えるようになります。
3. くすみ
エラスチンが減少すると、肌の血行が悪くなり、肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れます。その結果、古い角質が蓄積し、肌がくすんで見えるようになります。
4. 肌のキメの乱れ
エラスチンは、肌のキメを整える役割も担っています。エラスチンが減少すると、肌のキメが乱れ、ザラザラとした肌触りになります。
エラスチン減少の原因は?
エラスチンは加齢とともに減少していくものですが、加齢以外にも様々な要因がエラスチン減少を加速させてしまいます。
1. 紫外線
紫外線は、肌の真皮層にダメージを与え、エラスチンの生成を阻害します。また、紫外線は活性酸素を発生させ、エラスチンを分解する酵素を活性化させるため、エラスチン減少を加速させます。
2. 糖化
糖化とは、体内の糖とタンパク質が結びつき、AGEs(終末糖化産物)と呼ばれる老化物質が生成される現象です。AGEsは、コラーゲンやエラスチンを硬化させ、肌の弾力を低下させます。
3. 喫煙
タバコに含まれる有害物質は、肌の細胞を傷つけ、エラスチンの生成を阻害します。また、喫煙は血行不良を引き起こし、肌への酸素供給を阻害するため、エラスチン減少を加速させます。
4. 寝不足
睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を抑制し、肌の再生能力を低下させます。また、ストレスホルモンの分泌量が増加し、活性酸素の発生を促進するため、エラスチン減少を加速させます。
5. 乾燥
乾燥した状態は、肌のバリア機能を低下させ、外部からの刺激を受けやすくなります。その結果、エラスチンがダメージを受け、減少に繋がります。
エラスチンを減らさないための対策
エラスチンは加齢とともに減少していくものですが、適切なケアを行うことで、減少を遅らせ、肌の弾力を維持することができます。
1. 紫外線対策
紫外線はエラスチン減少の大きな原因となるため、徹底的な紫外線対策が大切です。
- 日焼け止めを毎日塗る: SPF30以上、PA+++以上のUVカット効果のある日焼け止めを、外出前に必ず塗布しましょう。
- 帽子やサングラスなどのアイテムを活用する: 顔全体を覆う帽子や、紫外線から目を守るサングラスなどを活用しましょう。
- 日差しが強い時間帯は外出を控える: 午前10時から午後2時頃までは、紫外線が最も強い時間帯です。この時間帯は、外出を控えたり、日陰を歩くようにしましょう。
2. 抗糖化対策
糖化は、エラスチンを硬化させ、肌の弾力を低下させるため、抗糖化対策も重要です。
- 食事の糖質量を控える: 白米やパン、菓子など、糖質を多く含む食品の摂取量を控え、野菜やタンパク質を多く摂るようにしましょう。
- 血糖値の上昇を抑える食べ方を心がける: 食事の順番を意識し、野菜やきのこを最初に食べる、ゆっくりよく噛んで食べるなど、血糖値の上昇を抑える工夫をしましょう。
- 抗糖化効果の高い食品を積極的に摂る: ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど、抗糖化効果の高い食品を積極的に摂りましょう。
3. 喫煙の習慣を控える
喫煙は、エラスチン減少を加速させるため、禁煙することが理想です。
4. 睡眠時間を確保する
睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を抑制し、肌の再生能力を低下させます。質の高い睡眠を十分に取るようにしましょう。
- 毎日決まった時間に寝起きする: 体のリズムを整えるために、毎日決まった時間に寝起きすることを心がけましょう。
- 寝る前にスマホやテレビを見ない: ブルーライトは睡眠を妨げるため、寝る前にスマホやテレビを見ないようにしましょう。
- 温かいお風呂にゆっくり浸かる: 寝る前に温かいお風呂にゆっくり浸かることで、リラックス効果が得られ、質の高い睡眠へと繋がります。
5. 乾燥対策
乾燥は、肌のバリア機能を低下させ、エラスチンをダメージから守る力を弱めるため、乾燥対策も重要です。
- 保湿成分配合のスキンケア製品を使用する: ヒアルロン酸やセラミドなど、保湿効果の高い成分配合のスキンケア製品を選びましょう。
- こまめな水分補給: 喉が渇く前に、こまめな水分補給を心がけましょう。
- 加湿器を活用する: 室内が乾燥しやすい冬場などは、加湿器を活用して、湿度を保ちましょう。
まとめ
エラスチンは、肌の弾力やハリを保つために不可欠な成分です。加齢とともに減少していくエラスチンですが、適切なケアを行うことで、減少を遅らせ、若々しい肌を維持することができます。
紫外線対策、抗糖化対策、喫煙の習慣を控える、睡眠時間を確保する、乾燥対策など、日々の生活習慣を見直し、エラスチンを守りましょう。
※この記事は、あくまでも情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスを提供するものではありません。
具体的な健康上の問題や懸念事項がある場合は、必ず医師またはその他の医療専門家に相談してください。