【実践】良質なフィードバックを生み出してプロダクト価値を高める方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
         

「どうやってフィードバックを取り入れればいいのかわからない」
「なかなか有効なフィードバックが出てこない。。」

プロダクトマネージャーは、ユーザからのフィードバックを適切に取り入れながらPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を目指さなければなりません。

今回は、プロダクトへのフィードバックをどのように生み出して、取り入れればプロダクト価値の向上が達成できるのか、その方法論について紹介します。

BtoBのプロダクト寄りの内容ですが、BtoC向けでも応用できる内容だと思います。

少しでも参考になったら幸いです。

こんな方におすすめ

どのようにデザイナーに依頼すれば良いか知りたいエンジニア
プロダクトマネージャーを目指していて、デザイナーとの仕事の進め方に不安がある人
デザイナーを含めたチームビルディングに悩んでいるマネージャー

なぜフィードバックが重要なのか

そもそもなぜプロダクトへのフィードバックが必要なのか?

BtoC(一般消費者向け)、BtoB(法人向け)プロダクト問わず、最初にリリースした機能だけでそのまま成功することはありません。

初期にリリースした機能はあくまで最低限のニーズに当てたものであり、リリース後に仮説検証を繰り返しながら顧客満足度を向上させていくことが求められます。

特にBtoBプロダクトのようなマーケットイン型のプロダクト(市場の顕在化したニーズを満たす)は、顧客の業務に深くフィットした機能をアップデートすることで、リテンション(継続率)やエンゲージメントを高めていくことができます。

もちろんBtoCにおいても、ターゲットユーザの利用状況や欲求を上手く拾い上げて、素早くプロダクトへ反映することでシェアを拡大させることは、プロダクト戦略上とても有効です。

しかし、一口にフィードバックといっても大小様々なフィードバックがあった場合、どのように取捨選択して優先順位をつけながら開発していけばいいのでしょうか。

また、勝てるプロダクトを作るためには受け身の姿勢ではなかなか有効なフィードバックは生まれません。

良いフィードバックとは必ずしも既存ユーザからの評価だけではありません。

既存のユーザの声だけ拾って開発していたら、将来顧客になってもらえる可能性がある市場を見過ごしてしまい、局所解に陥ってしまう可能性があります
それだと既存の顧客の満足度は確かに上がりますが、マーケットが広がっていきません。

それでは、どのようなフィードバックがあるのか、その種類と、どのようにして戦略的にフィードバックを生み出せば良いのかについて説明していきます。

戦略的に良質なフィードバックを生み出す方法

まずどのようなフィードバックがあるのか整理します。

The Lean Product Playbookでは、プロダクトとマーケットをどのようにフィットさせていくべきかが説明されています。

簡単に説明すると、ピラミッドの下に「ターゲット顧客」と「満たされていないニーズ」が土台としてあり、その上にプロダクトレイヤーがそれぞれ「バリュープロポジション(独自の優位性)」「機能群」「UX(ユーザ体験)」として定義されています。

土台にマーケットがあるように、マーケットから様々なフィードバックを受けながらプロダクトを適合していくイメージです。

ポイントはピラミッドで表現されている通り、下の階層の方がより重要度が高いということです。

逆に言えば、下の階層を飛ばして上の階層に注力すべきでないとということになります。

このピラミッドを元にフィードバックの階層(レベル)をカテゴライズしたのが次の図になります。

フィードバックを整理する際、そのフィードバックはどのフィードバックレベルのものかを意識しましょう。

マーケットレベルのフィードバックなのか、それともユーザの業務やユースケースレベルのフィードバックなのか、もしくはユーザビリティ(使い勝手)レベルのフィードバックなのか。

このようにそれぞれのフィードバックをカテゴライズすることで、取り組むべきアクションに優先順位をつけることができるようになります。

当然プロダクト開発においても、マーケットレベル > ユーザレベル > ユーザビリティレベルの順でリソースを配分しましょう。

よくやってしまいがちなのが、マーケットレベルのフィードバックを意識せずに、ユーザビリティレベルの改善ばかりに集中してしまうケースです。

マーケットにフィットしていないのに、ユーザビリティの改善ばかりやっていても、いつまで経ってもPMFには到達できません。

何を捨てて、何を取り入れるかをよく考えましょう。

では、フィードバックのカテゴリーが整理できたところで、実際にどうやったら意図的にフィードバックを生み出せるのかについて、いくつかのアプローチを紹介します。

今回紹介するアプローチはBtoBプロダクト寄りですが、BtoCプロダクトでも読み替えて応用することができます。

一つずつ説明していきます。

市場からのフィードバックを生み出す

プロダクトのビジネス価値を高めるという観点で一番重要になるのが市場からのフィードバックです。

特にプロダクトの初期やPMF前の場合、どこの市場の誰の課題を解決するのかを決めなければなりません。

事業戦略とも密接に絡むため、営業やマーケターなどのビジネスサイドと連携する必要があるでしょう。

いくつかアプローチ例を紹介します。

  • 営業の商談からフィードバックをもらう(受注・失注分析)
  • 市場調査(ターゲット顧客の属性分析や業務分析など)
  • 競合調査(直接の競合だけではなく、ターゲット顧客の周辺課題を解決しているサービスなども含めて)

中でも商談からのフィードバックは必ずリストにまとめて管理しておきましょう。
受注に貢献した機能があった場合は、その機能の強化を進めるという判断ができますし、逆によく失注の原因になる機能があれば新規で追加すれば受注率が上がる可能性があります。

他にも市場調査や競合調査を行うことで、有効な機能開発の仮説を立てることができます。

仮説を立てる際は、必ずその機能を開発することで課題を深く解決できるか(顧客エンゲージメントが向上するか)と、解決できる対象が広がるか(マーケットが拡大するか)という観点で検討しましょう。

ユーザからのフィードバックを生み出す

次に取り組むべきは、既存もしくはターゲットユーザからのフィードバックを集めることです。

ユーザの課題をプロダクトが想定通りに解決しているかどうかをチェックします。

直接ユーザへのインタビューやヒアリングを通してフィードバックを集めますが、必ずフォーカスすべきターゲットを定義してから実施しましょう。

ターゲットがズレると間違ったフィードバックを取り込む危険があります。

ユーザからのフィードバックを集める方法はたくさんありますが、いくつか代表的な例を挙げます。

  • NPSスコアを収集する
  • ユーザインタビューを実施する
  • モニターを募集する
  • フォーカスターゲットを定義し、メインユースケースからロールプレイを行う

多くの手法で、既存のユーザにインタビューを行うパターンが多いと思いますが、深く利用状況を確認・観察したい場合は、モニターという形で協力してくれるユーザを募るという方法もあります。

社外で見つけられない場合は、社内でユースケースを定義してロールプレイを行うことで有効なインサイト(洞察)が見つかる可能性もあります。

ユーザインタビューに関してもっとテクニカルな手法を知りたいという方は、専門書などを参照することをおすすめします。

ユーザビリティに関するフィードバックを生み出す

ユーザからのフィードバックレベルが顧客の課題を正しく解決できているかだとしたら、ユーザビリティはストレス(負荷)なく解決できているかという観点になります。

機能同士の導線から、ボタンの配置などのレイアウトまで、プロダクトが提供する全てのユーザ体験(UI/UX)について最適化していきます。

以下にいくつか例を挙げます。

  • ユーザビリティ(UX)テスト
  • 社内ドッグフーディング
  • 外部のUX評価

ユーザビリティ(UX)テストは、実際にユーザがプロダクトを使用しているところを観察し、つまづきや不具合が発生しないかどうかをテストします。

ユーザを巻き込むコストが高い場合は、社内で試しに使用してみて(ドッグフーディング)改善点を洗い出すという方法もあります。

また、UXの専門家に依頼して、改善点を見つけていくというアプローチも有効です。

ユーザビリティテストの手法なども多くの書籍や記事で紹介されているので、そちらを参考にしながら試してみることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はプロダクト開発において、良質なフィードバックをどのように集めれば良いのかという観点で具体的なアプローチも交えて紹介しました。

全体的にBtoBプロダクト向けの内容になっていますが、基本的な考え方はBtoCのプロダクト開発でも同様だと思います。

もちろんプロダクトの性質や使えるリソースによっても取るべきアクションは変わってくるので、仮説検証を回しながら自社に合ったやり方を模索してみてください。

今回の内容が少しでもお役に立てたら幸いです。

スポンサーリンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。