あなたのデザインスキルを最大限にアピールし、理想の就職や転職につなげるためのポートフォリオ作成ガイドです。
ポートフォリオは、グラフィックデザイナーにとって自身のスキルや経験を企業にアピールする上で最も重要なツールの一つです。単に作品を並べるだけでなく、あなたのデザインに対する考え方やプロセス、そして将来のビジョンを効果的に伝えることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
目次
企業がポートフォリオから知りたいこと
企業は、ポートフォリオを通して、以下の3つのことを知りたいと考えています。
1. 得意なデザインの方向性とクオリティ
企業は、あなたのデザインスキルが自社の求めるデザインと合致するのかを見極めようとします。そのため、あなたの得意なデザイン分野や表現方法、そして作品のクオリティを明確に示すことが重要です。
2. 情報を整理して伝える能力
グラフィックデザイナーは、クライアントの意図を理解し、それを視覚的に表現する能力が求められます。ポートフォリオは、あなたが情報を整理し、相手に分かりやすく伝える能力をアピールする場となります。
3. 自己表現力と積極性
ポートフォリオを通して、あなたがどのようなデザイナーなのか、そしてどのような仕事に意欲を持っているのかを伝えましょう。将来のビジョンや、希望企業でどのような貢献をしたいのかを明確に示すことで、企業からの期待を高めることができます。
避けるべきポートフォリオの例
画像だけが並んでいる
制作物の画像と簡単なスペックだけが並んでいるポートフォリオは、デザインのクオリティは伝わるものの、情報量が乏しく、採用担当者はあなたのスキルや考え方を理解できません。
意思決定のプロセスや作業範囲の説明がない
なぜそのデザインを選んだのか、どのような課題を解決するために制作したのか、あなたの考え方を示すことが重要です。制作の裏側を具体的に説明することで、採用担当者はあなたのデザインプロセスへの理解を深め、あなたのスキルをより深く評価することができます。
相手(自分のことを全く知らない)の視点で作られていない
ポートフォリオを見るのは、あなたを全く知らない企業の採用担当者です。彼らの立場に立って、分かりやすく、興味を引く内容にしましょう。
成功するポートフォリオの作り方
以下の5つのポイントを意識して、あなたの魅力を最大限にアピールするポートフォリオを作成しましょう。
1. 相手の視点で考えられている
採用担当者の立場に立って、彼らが知りたい情報を分かりやすく、興味を引く形で伝えましょう。
- デザインの意図やコンセプトを明確に説明する。
- ターゲットや目的を具体的に示す。
- 制作プロセスや課題、解決策を簡潔に説明する。
- デザインに対するあなたの考え方を言葉で表現する。
2. 簡潔で分かりやすい
採用担当者は、多くのポートフォリオを見るため、簡潔で分かりやすい構成が重要です。
- 見出しや段落を活用して、情報を整理する。
- 余白を効果的に使い、視覚的に見やすくする。
- 簡潔で分かりやすい言葉遣いを使用する。
- デザインと文章のバランスを意識する。
3. プロセスが整理されている
デザインプロセスを整理して説明することで、あなたのスキルや考え方を具体的に示すことができます。
- アイデアの段階から、完成までのプロセスを説明する。
- デザインの変更点や修正過程を共有する。
- 課題や解決策、工夫した点を具体的に示す。
4. 希望企業にあわせてカスタマイズできている
希望企業の求めるスキルやデザインの方向性を理解し、それに合ったポートフォリオを作成しましょう。
- 企業のウェブサイトや求人情報などを参考に、企業の理念やデザインの方向性を理解する。
- 企業が求めるスキルや経験に合わせた作品を厳選する。
- 企業の理念や文化に共感する部分をアピールする。
5. キャリアビジョン(将来したいこと)を語れる
将来の目標やビジョンを明確に示すことで、企業はあなたへの期待感を持つことができます。
- 目指すキャリアパスを具体的に示す。
- 希望企業でどのような仕事に挑戦したいのかを説明する。
- 企業への貢献意欲を表明する。
ポートフォリオ作成の具体的な手順
STEP1: 自身の情報を簡潔にまとめる
まず、あなたの経歴、スキル、経験、受賞歴などを1ページにまとめましょう。
- 名前、連絡先、ポートフォリオのURLを記載する。
- 職務経歴書のように、日付、会社名、職種、担当業務を記載する。
- 使用可能なソフトやツールを一覧化する。
- デザインに対するあなたのこだわりや、得意分野を簡潔に説明する。
STEP2: 作品を厳選し、分かりやすく紹介する
自信作や、希望企業の求めるスキルに合った作品を選び、1ページまたは1見開きで1作品ずつ紹介しましょう。
- 作品タイトル、クライアント名、制作時期、制作期間を記載する。
- デザインのコンセプトや目的を簡潔に説明する。
- 制作プロセス、課題、解決策を説明する。
- 作品に込めたあなたの考え方を言葉で表現する。
STEP3: キャリアビジョンを明確に示す
希望企業でどのような仕事に挑戦したいのか、どのような貢献をしたいのかを具体的に示しましょう。
- 希望する職種やポジションを明確に示す。
- 企業の理念やビジョンに共感する部分を具体的に説明する。
- 将来の目標やビジョンを具体的に示す。
STEP4: ページ数を調整し、掲載順を工夫する
ポートフォリオのページ数は、15~25ページ程度が適切です。
- 多すぎるページ数は、採用担当者の負担になるため、厳選して掲載する。
- 希望企業に合わせた作品を、効果的に配置する。
- 同じような作品ばかりにならないように、作品のバリエーションを意識する。
STEP5: データと紙、両方で用意する
企業によっては、書類選考でPDFデータでの提出を求められる場合があります。
- データと紙の両方の形式でポートフォリオを用意する。
- 紙媒体のポートフォリオは、高品質な印刷で仕上げる。
- データ形式は、PDF形式で、ファイルサイズは圧縮する。
まとめ
ポートフォリオは、あなたのデザインスキルや経験、そして将来のビジョンをアピールする重要なツールです。今回の記事を参考に、あなたの魅力を最大限に伝え、理想の就職や転職を実現しましょう!
参考記事
- 企業に刺さる!グラフィックデザイナーのためのポートフォリオの作り方! https://toricreator.com/magnet/1006/
- グラフィックデザインのポートフォリオ例10選 https://www.adobe.com/jp/express/learn/blog/graphic-design-portfolio