採用バイアスの克服と公平な採用

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採用バイアスは、人事担当者が無意識に持っている偏見によって、特定の属性を持つ候補者を優遇または不利にすることです。これにより、多様性とインクルージョンが阻害され、組織にとって優秀な人材を獲得できない可能性があります。本記事では、採用バイアスの克服と公平な採用を実現するための具体的な方法について解説します。

採用選考時の基本的な考え方・公正な採用選考の基本

厚生労働省は、採用選考の基本的な考え方として「人を人として見る」人間尊重の精神と、応募者の適性・能力に基づいた基準による選考を挙げています。公正な採用選考の基本は、応募者に広く門戸を開き、本人のもつ適性・能力に基づいた基準で選考を行うことです。

具体的には、以下のような点に配慮することが大切です。

  • 応募資格や選考基準を明確に設定し、誰でも理解できるように公開する。
  • 採用プロセスを透明化し、応募者に分かりやすく説明する。
  • 応募書類の審査や面接において、年齢、性別、出身地、学歴などの属性ではなく、能力や経験、職務遂行能力に基づいて評価を行う。
  • 複数の選考担当者が関わることで、多様な視点から候補者を評価する。
  • 応募者に分かりやすく丁寧な対応を行う。

これらの点を意識することで、公平性と透明性を高め、より多くの優秀な人材を獲得することができます。

参考ページ:

採用における年齢バイアス

「若い方が業務の飲み込みが早い」「中高年はITリテラシーが低い」「上司や先輩社員が●●歳代だから新たに採用する人員はその年代以下の方がチーム運営が円滑だ」といった考えは、年齢バイアスの一例です。

これらの考えは、過去の経験に基づいた偏見であり、年齢によって能力や適性が決まるわけではありません。個々の能力や適性を客観的に評価し、年齢による先入観に左右されないようにすることが重要です。

年齢バイアスの克服

年齢バイアスを克服し、公平な採用を実現するためには、以下の対策が有効です。

  • 採用情報の充実: 採用ポジションに関する情報をできるだけ詳しく記載することで、年齢による先入観を減らし、適切な人材にアプローチできます。会社情報、事業内容、主なサービス・商品、業務内容、必要なスキル・経験、休日出勤や残業、給与・福利厚生、責任の範囲などの諸条件以外にも、キャリアパスや社内の文化なども具体的に示すと良いでしょう。
  • 採用プロセスの見直し: 年齢バイアスが発生しうる箇所を特定し、公平で透明性のあるプロセスを確立します。面接官のトレーニングや、面接質問の標準化などを検討しましょう。
  • 複数の選考者の参加: 複数の人が採用プロセスに関与することで、異なる視点から候補者を評価できます。異なる年齢層の選考担当者が参加することも有効です。
  • トレーニングと教育: 採用担当者や関係者に対し、年齢バイアスやその影響についてのトレーニングや教育を行うことで、意識改革を促し、バイアスに気づく力を高められます。
  • インクルーシブな文化の構築: 組織内において、異なる年齢層の人々が尊重され、価値を認められる文化を醸成します。年齢に関わらず、誰もが能力を発揮できる環境作りが重要です。

これらの対策を組み合わせることで、多様な年齢層の人材を採用し、組織全体の活性化につなげることが可能になります。

人材派遣の場合

人材派遣契約の場合、労働者派遣法の「特定目的行為の禁止」により、派遣先企業は派遣スタッフを書類や面接で選考することができません。派遣先企業は、派遣会社に業務に必要な経験やスキル、職場環境を詳しく伝えることで、派遣会社はそのポジションに合った人材を派遣スタッフとして決定することができます。

まとめ

多様な経験やスキルを持つ人材を採用することで、イノベーションと成長が促進され、組織全体の力が強化されます。年齢バイアスは、多くの人が様々な形で持っているものです。「気づいていないだけで、自分もバイアスを持っているかもしれない」と意識することが重要です。

ランスタッドは、多様な人材が本来の力を存分に発揮して活躍できる環境を作るため、様々な取り組みを行っています。資料やセミナーでの情報発信をしていますので是非ご活用ください。

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[著者プロフィール]

白川 真理子(しらかわ まりこ)

ランスタッド マーケティング&ブランドコミュニケーション本部 DX部 インサイドセールス

オフィス系派遣のコンサルタントとして企業、求職者・就業者の方々の支援に携わる。現在はインサイドセールスとしてランスタッドの全サービスをワンストップでご提案することを担当。国家資格キャリアコンサルタント。

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