「プロダクトマネージャーになるためにどんな知識を習得すればいいの?」
「プロダクトマネージャーにおすすめの本が知りたい」
プロダクトマネジメントは求められるスキルが多く、エンジニアリングだけではなく、マーケティングやセールス、CS(カスタマーサクセス)などのビジネスに関する知識も必要になります。
今回は、プロダクトマネージャーをやる上で役に立つ本を紹介します。
少しでも参考になったら幸いです。
こんな方におすすめ
どのようにデザイナーに依頼すれば良いか知りたいエンジニア
プロダクトマネージャーを目指していて、デザイナーとの仕事の進め方に不安がある人
デザイナーを含めたチームビルディングに悩んでいるマネージャー
目次
1冊目: Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)
一時期スタートアップ手法として流行ったリーン・スタートアップの続編に当たる本です。
「リーン」とは「無駄がない」という意味で、プロダクトをロケットのように大掛かりな開発を行う前に、小さく細かく検証しながら開発していくという開発フレームワークです。
最近だと手法自体の話はあまり聞かなくなりましたが、プロダクト開発初期のMVP(Minimum Valuable Product)の作り方、顧客の課題の検証とそれに対する解決方法の検証など、本質的なところは現在でも応用できます。
本家のリーン・スタートアップだとコンセプトや概念的な内容が多いですが、本書はより実践的な内容に触れられており、実務に使えるアイデアがたくさん盛り込まれていました。
これから新規でプロダクトを作ろうとしているなら一度を目を通しておくことをおすすめします。
2冊目: Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法
リーンスタートアップが提唱する構築・計測・学習ループの「計測」にフォーカスし、データ分析でプロダクトをグロースさせるためにどんな指標を見るべきか?について解説しています。
サービスやプロダクトによって何を計測すべきか?
最重要指標の考え方など、事業としてプロダクトを運営する上でとても参考になる内容になっています。
特に「SaaS」「ECサイト」「2サイドマーケットプレイス」など、代表的なビジネスモデルについて、具体的なデータ分析アプローチを紹介している章はとても有益です。
3冊目: ノンデザイナーズ・デザインブック
非デザイナー向けにデザインの基本原則を解説した書籍です。
本書で紹介されているデザインの「4つの基本原則」は、シンプルかつ本質的で、この原則を知っているかどうかでアウトプットの質が大きく変わると思います。
プロダクトマネージャー(PdM)は、必ずしもデザインスキルは必要ありませんが、最低限デザインの良し悪しは判断できていた方が良いです。(でないと最終的な意思決定ができないので)
この基本原則を抑えていれば、デザイナーとのコミュニケーションもしやすくなりますし、自分で簡単なワイヤーフレームを作る際にも役立ちます。
また、プロダクト作りだけでなく、ちょっとしたプレゼン資料のクオリティもグッと上がると思います。
4冊目: PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ
従来のセールス主導のビジネス(Sales-Led Growth)から、プロダクト主導の成長戦略に(Product-Led Growth)注目が移っていることを解説した書籍です。
コロナの影響で、世の中の環境と働き方が大きく変わる中、Zoom、Slack、Dropboxといったサービスが新時代のビジネスインフラを担うようになりました。
これらのサービスは、強い営業部隊によってここまで拡大してきたわけではありません。
PLGとは、プロダクトをいち早くエンドユーザーに届け、その価値をできるだけ早く感じてもらうことで、「プロダクトでプロダクトを売る状態」を目指す戦略を指します。
本書では、プロダクト主導で急速に成長するサービスを紹介しつつ、成長させるためにどのようにプロダクト開発に取り組むべきか解説しています。
PLG型のプロダクト開発に携わる方におすすめします。
5冊目: THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
著者はマーケティング・オートメーション(MA)で有名なマルケトの元代表取締役社長である福田康隆氏です。
企業のマーケティング・営業組織を
マーケティング→インサイドセールス→営業(フィールドセールス)→カスタマーサクセス
という分業体制にすることで、事業をスピーディかつ効率的に成長できるようにするというThe Modelという手法について紹介されています。
Salesforceを筆頭に最近ようやく日本でも話題にされるようになり、かなり一般化されてきたのではないでしょうか。
基本的に法人に対して営業活動を行うBtoB事業向けの内容になりますが、BtoCのビジネスをやられている方でも基本的な考え方は参考になると思います。
BtoBやSaaSのビジネスをやられている方なら必読の書だと思います。
6冊目: たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
スマートニュースで執行役員としてマーケティングをやられていた西口一希氏による著書です。
P&G、ロート製薬、ロクシタンなど名だたる企業で実績を積まれた方で、特に消費者向けマーケティングにおける知見・ノウハウがとても実践的でかつわかりやすく紹介されているので、BtoCビジネスに携わる方には必読の書だと思います。
昔からマーケティング戦略を立案する際に、4P(Promotion、Price、Place、Product)分析が行われますが、ここにプロダクトが入っているように、プロダクトというのはマーケティング戦略に包含されるものであると、改めて考えさせられました。
特に本の中で紹介されているフレームワークである「顧客ピラミッド」「9セグマップ」「N1分析」は、マーケティングに役立つだけではなく、プロダクト作りにも共通する考え方だと感じました。
7冊目: 10年戦えるデータ分析入門 SQLを武器にデータ活用時代を生き抜く
最後は技術的な書籍になりますが、プロダクトマネージャーがデータ分析にチャレンジするための入門書として紹介します。
近年データ分析を行うためにBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを使うケースも増えてきましたが、やはり深い分析を行うためにはSQLの知識は必要不可欠です。
SQLとは、システムに蓄積されたデータを分析するためにSQLというプログラミング言語のことです。
ただし、SQLを活用するのは非エンジニアにとっては敷居が高いのも事実です。
巷にSQLを解説している書籍は多数ありますが、実際ビジネスにどう活かせるのかのユースケースがないため、なかなか実務につながるイメージがつきません。
本書では、データをビジネスに活かしたいマーケターやエンジニアに向けて解説されており、データベースの扱い方から、アクセスログの分析方法など、実際のユースケースに沿った手法が紹介されているため、実務に応用しやすい内容となっています。
実際プロダクトマネージャーがどこまでデータ分析を行うべきかは会社によって異なると思います。
しかしユーザの利用状況など、プロダクト上で計測できるデータをプロダクト開発に活かすことができれば、大きなメリットが得られます。
またデータ分析に限らず、システムのデータ構造を理解しておくというのは、プロダクトを設計する上でとても欠かせない要素なので、もしデータベースに触れたことがないのであれば、この機会にぜひ触れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新規プロダクトの作り方からデザイン、マーケティング・セールス、データ分析まで多種多様な書籍を紹介しました。
このラインナップから読み取れる通り、ビジネスとエンジニアリングのハブとなるプロダクトマネージャーには幅広い知識が求められるということがイメージできたと思います。
紹介した書籍はごく一部ですが、どれもプロダクトマネージャーとしての業務で生かせる内容です。
今回紹介した本が少しでもお役に立てたら幸いです。