社会的責任投資(SRI)とは何か?ESG投資との違い、メリット・デメリット、そして未来

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近年、投資の世界では「社会的責任投資」という言葉を耳にする機会が増えました。企業の成長性だけでなく、社会や環境への貢献度も重視する投資スタイルとして注目されています。しかし、社会的責任投資とは具体的にどのような投資方法なのでしょうか?ESG投資との違いは?そして、メリットやデメリットは?

この記事では、社会的責任投資の基本的な考え方から、ESG投資との違い、メリット・デメリット、そして今後の展望まで解説します。投資初心者の方でも理解しやすいように、わかりやすく解説していきます。

社会的責任投資(SRI)とは

社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investment)とは、企業の社会的責任(CSR)を考慮して投資を行う方法です。従来の投資では、企業の財務的な側面のみが重視されていましたが、SRIでは、企業が社会や環境に対してどのように貢献しているかを重視します。

具体的には、環境保護に配慮した製品やサービスを提供している企業、従業員や顧客の権利を尊重している企業、人権問題に積極的に取り組んでいる企業などに投資を行います。

SRIの歴史

SRIの歴史は古く、1920年代にアメリカでキリスト教の教会が倫理的な観点から武器、ギャンブル、タバコ、アルコールなどに関わる企業への投資を避けたことから始まりました。その後、環境問題への関心の高まりとともに、環境問題に特化したSRIが拡大していきました。

1990年代後半には、環境・経済・社会の3つの側面(トリプルボトムライン)を考慮した経営という考え方が広まり、これらに配慮している企業に投資する形のSRIが次々とスタートしました。

2000年代に入ると、環境・社会への影響にも配慮した企業に投資しようという動きが加速し、2006年には当時の国連事務総長コフィー・アナン氏が金融業界に対して責任投資原則ガイドライン(PRI:Principles for Responsible Investment)を発表しました。PRIは、機関投資家を中心とした投資コミュニティに対し、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)に配慮する企業を選んで投資するよう呼びかけています。

ESG投資との違い

SRIとESG投資は、どちらも社会・倫理的な側面を重視する投資方法として、ほぼ同義として使われることが多いです。しかし、厳密には違いがあります。

SRIは、企業の社会的責任を幅広く評価して投資対象を選定するのに対し、ESG投資は、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を基準に投資対象を選定します。

つまり、SRIはESG投資を含むより広い概念と言えるでしょう。近年では、ESG投資の方が注目されていますが、SRIという用語も引き続き使われています。

社会的責任投資(SRI)のメリット

社会的責任投資(SRI)には、次のようなメリットがあります。

  • 倫理的な投資: 企業の社会的責任を重視することで、倫理的な投資を実現できます。
  • 長期的な安定収益: 社会や環境に配慮した企業は、長期的に安定した収益を上げやすい傾向があります。
  • 地球環境の保護: 環境問題に積極的に取り組む企業に投資することで、地球環境の保護に貢献できます。
  • 社会貢献: 社会貢献活動に積極的に取り組む企業に投資することで、社会貢献活動に間接的に参加できます。

社会的責任投資(SRI)のデメリット

社会的責任投資(SRI)には、次のようなデメリットも存在します。

  • 投資対象の絞り込み: 社会的責任基準を満たす企業は、すべての企業の中で必ずしも多くありません。そのため、投資対象が絞り込まれてしまう可能性があります。
  • 収益率の低さ: 社会的責任を重視するあまり、収益率が低い企業に投資してしまう可能性があります。
  • 情報収集の難しさ: 企業の社会的責任に関する情報は、必ずしも十分に公開されているわけではありません。そのため、情報収集が難しい場合があります。

社会的責任投資(SRI)の今後

近年、ESG投資の普及に伴い、社会的責任投資に対する関心は高まっています。多くの企業がESG経営に取り組むようになり、ESG投資に特化した金融商品も増加しています。

今後は、ESG投資がより一層主流になると予想されています。ただし、SRIはESG投資を含むより広い概念であるため、SRIという用語も引き続き使われる可能性があります。

まとめ

社会的責任投資(SRI)は、企業の社会的責任を考慮して投資を行う方法です。ESG投資とほぼ同義で使われることもありますが、SRIはESG投資を含むより広い概念です。

SRIは、倫理的な投資を実現できる一方で、投資対象が絞り込まれたり、収益率が低くなったりする可能性もあります。

社会や環境への意識が高まっている今、社会的責任投資はますます注目されていくでしょう。投資を行う際には、メリットとデメリットを理解した上で、自分の投資方針に合った投資方法を選択することが重要です。

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