「プロダクトマネージャーに興味があるけど、どんな人が向いているのか気になる。。」
「プロダクトマネージャーに自分は向いてないんじゃないかと不安。。」
私自身プロダクトマネージャーとして、10年近く働いた経験をもとに感じた「プロダクトマネージャーに向いている人」「向いてない人」の特徴を紹介します。
少しでも参考になったら幸いです。
こんな方におすすめ
どのようにデザイナーに依頼すれば良いか知りたいエンジニア
プロダクトマネージャーを目指していて、デザイナーとの仕事の進め方に不安がある人
デザイナーを含めたチームビルディングに悩んでいるマネージャー
目次
プロダクトマネージャーに向いている人の特徴6つ
あらゆるステークホルダーの利害関係の調整ができる
プロダクトマネージャーは、セールス・マーケターなどの「ビジネスサイド」と「開発チーム」の間に入って、プロダクトの要件整理や仕様作成、開発のディレクションを行います。
時には両サイドの要求が衝突してしまい、トレードオフが発生する場面も多々あります。
ビジネスサイドの要求を丸呑みすると、実現不可能な機能だったりスケジュールが決定してしまい、予定通り(予想通り)にリリースできなくて会社の信用を失ってしまいます。
逆にエンジニアサイドの要求を優先しすぎてしまうと、顧客や市場のニーズとズレたものになったり、機会損失が発生したりと、結果としてビジネスとして成立しなくなる場合もあります。
プロダクトマネージャーは、各ステークホルダーから要求される背景をヒアリングし、双方の落とし所を見つけながらプロダクトを作り上げることが求められます。
立場の違う人同士の間に立って利害関係を調整することは、時にはハードな交渉になる場合もあります。しかし、それを粘り強く進めていける人がプロダクトマネージャーとして向いていると言えるでしょう。
タスクマネジメントが得意な人
プロダクトマネージャーはあらゆるステークホルダーと協力しながら、仕事を進めます。
当然一つのタスクに熱中すればいいものでもなく、あらゆる方面からあらゆる種類のタスク(予想していないタスクも多々)が日々降ってくるのを、スピーディーに捌かなければなりません。
もちろん全てを受けてしまうと、本当にやらなければならない重要なタスクが漏れてしまうため、常に全体を俯瞰して優先順位をつけながら調整できる人が向いているでしょう。
また自身だけでなく、開発チーム、時にはビジネスサイドのタスクも管理する必要が出てきます。
相手を見ながらタスクの粒度、進捗確認、状況の説明など、柔軟に対応しなければなりません。
誰からどういうパスを受け取って、誰にパスを出すのか。プロダクト開発における司令塔のような立ち位置がイメージが近いのではないでしょうか。
泥臭いこともやる
司令塔と言いましたが、かなりの大企業でない限り、指示を出すだけでうまくいくケースはほとんどないでしょう。
PM的なロールあるあるですが、エンジニアやデザイナーなどのプロフェッショナルが集まったチームでは、やはりどうしても誰も拾わないボールを拾う「何でも屋」にならざるを得ない時もあります。
自分が拾わなくてもうまくいくなら構わないですが、プロダクトマネージャーはプロダクトを成功させることがミッションなので、時には成功のために仕事を選ばない愚直さも必要です。
プロダクト開発において、究極の主体性が求められます。
ディテールにこだわれる
プロダクト開発というのは、一見花形に聞こえるかもしれませんが、実はかなり細かく地味な作業が多いです。
形にするということは、スライドでコンセプトやイメージをまとめるのとは比較にならないほど細かいところを詰める必要があります。
ちょっとしたボタンの配置や、ページ遷移の導線、フォントサイズやカラーなど、ディテール(詳細)が疎かになってしまうと全体のユーザ体験が損なわれてしまいます。
専任のデザイナーがいる場合は、UI/UXの大部分はお任せできるとは思いますが、モックがそのままプロダクトとして出来上がるわけではないので、やはり最後はプロダクトマネージャーによる細部まで徹底したチェックは欠かせません。
面倒くさがらずにディテールにまで拘れる人はプロダクトマネージャーに向いていると思います。
問題発見・解決能力に優れている
事業会社のプロダクトマネージャーの場合、新規事業のためのプロダクトを開発しているというケースも多いでしょう。
同じシステム開発と言っても、クライアントワーク(受託開発)とは違い、どんな機能や性能、デザインが求められるかどうか答えがない状況でプロダクトを作らなければなりません。
顧客やユーザは当然、上司やチームメンバーも指示や答えをくれるわけではありません。
今一番やらなければならないことは何か。
ビジネス観点、技術観点、あらゆる角度から現在置かれている状況を把握し、何をすべきか課題を定義して解決のために周りを巻き込んで推進することが求められます。
この「課題を発見」するところが一番難しく重要なところだと思っており、残念ながら重要な課題は目の前に現れてはくれません。自分で見つけにいくしか方法はないのです。
また困難な問題に直面することもあります。
解決のためのアプローチをその場で議論し、正解かどうかわからない状態でその場で決めてチームに指示を出すこともあります。
影響度、リスクなどあらゆる観点で判断し、解決するための道を探るのです。
物事の表面だけを見るのでなく本質を常に考え、シビアな状況でも解決の糸口を見つけるタフさもプロダクトマネージャーに向いている素養の一つだと思います。
リーダーシップがある
プログラムを書けばシステムは動いてくれますが、チームや人はその通りに動いてはくれません。
正解がわからないまま、リスクを取らざるを得ない状況もあり得ます。
そんな時に、「誰かの指示で」または「多数決で」といった意思決定だと、メンバーは不安になってしまいます。
仮説は仮説でロジカルに説明できるかもしれませんが、やはり最後は周囲を巻き込んでなんとかする力とコミットメントが求められると思います。
肌感覚ですが、プロダクトマネージャーは、自分なりの信念または哲学がある人が多いような気がします。
プロダクトマネージャーに向いていない人の特徴3つ
人の意見を鵜呑みにする
人の意見を鵜呑みにしているだけでは、いいプロダクトは作れません。
もし仮に営業がこの機能が欲しいといっても、それをそのまま実装してしまうと、一部の限定したユースケースでしか使えなかったり、その機能があることで逆に他のユーザに不利益が出てしまうケースもあります。
本当にその機能が必要なのか。なぜ必要なのか。実装することで市場が広がるのかを冷静に判断する必要があります。
顧客やユーザも残念ながら正解をくれるわけではありません。
自社のビジネス、顧客、技術を考慮して、ベストなアプローチを選択してください。
他者の意見に引きづられ、主体的に意見を発信できない人は、プロダクトマネージャーとして良いパフォーマンスを出せない可能性が高いです。
プロダクト・ユーザに関心がない
「いいプロダクト」というのは「デザインがいけてるプロダクト」でもなく「機能が豊富なプロダクト」でもありません。
ユーザの課題を解決し、「ユーザに支持される」「ユーザに求められる」プロダクトです。
C向けかB向けかに関わらず、プロダクトを通して、どんな変化をユーザに与え、ユーザの仕事や人生を豊かにするのか考えなければなりません。
プロダクトそのものや、プロダクトを使うユーザに興味がなければ、いい提案はできないでしょう。
ただし、自身がユーザである必要は必ずしもないと思っています。
もちろん自分が心から欲しているプロダクトであればベストではありますが、ユーザがどんなものが欲しくて何を提供すべきか考える「プロダクトオーナー」の役割がチームにいるのであれば、そのプロダクトオーナーと議論しながら開発を進めることもできるでしょう。
批判に弱い
プロダクトマネージャーは比較的プロダクトに関するあらゆる批判を受けやすい立場になります。
ユーザからの直接のフィードバックはもちろんですが、利害関係者からも機能不足や品質など、あらゆる不備に対して指摘を受けます。
批判に関して感情的に反応するのではなく、真摯に受け取りつつもロードマップや仕様に関してステークホルダーに粘り強く説明していく姿勢が必要になると思います。
100人いたら100人を満足させることは不可能です。
全てのステークホルダーを満足させようとするのではなく、どうしたら自社のビジネスを成功させることができるのかを考え続けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はプロダクトマネージャーに向いている人・向いていない人の特徴について紹介しました。
プロダクトマネージャーは最近できた職種であり、会社やプロダクトによって求められるスキルや役割はまちまちです。
どんな人が必要とされていて、どんな人が活躍しているかは、実際に働いている人に聞くのが一番です。もし転職を検討しているなら採用担当やエージェントなどに一度相談してみてはいかがでしょう。
ハードな反面、かなりエキサイティングな仕事でもあります。
日本からグローバルで戦えるプロダクトが生まれるために、プロダクトマネージャー(PdM)にチャレンジする人が国内でもどんどん増えることを願っています。