会計士の皆様、こんにちは。2024年度は、いよいよ令和6年度税制改正が施行されます。今回の改正では、法人税、所得税、消費税など、様々な税制が変更される見込みです。
この記事では、会計士の皆様が知っておくべき令和6年度税制改正のポイントと、企業の節税対策に役立つ最新情報をわかりやすく解説します。
目次
1. 法人税改正:中小企業の負担軽減と成長促進を目的とした改正
令和6年度の法人税改正では、中小企業の負担軽減と成長促進を目的とした対策が中心となっています。具体的には、以下の変更が予定されています。
1.1 中小企業向けの税率軽減
中小企業向けの税率軽減がさらに強化され、中小企業の収益向上と投資意欲の促進が期待されています。
- 法人税率の引き下げ: 現在の法人税率は、中小企業の場合、23.2%となっていますが、令和6年度からは22.2%に引き下げられる予定です。
- 中小企業投資促進税制の拡充: 中小企業が設備投資を行った際に受けられる税制優遇措置が拡充される予定です。
- 事業承継税制の強化: 事業承継を円滑に進めるための税制優遇措置が強化され、後継者への事業承継を促進する効果が期待されます。
1.2 研究開発投資促進のための税制優遇
企業の研究開発投資を促進するために、新たな税制優遇措置が導入される予定です。
- 研究開発投資に対する税額控除の拡充: 研究開発投資に対する税額控除の対象範囲が拡大され、企業の研究開発への投資意欲を高めることが期待されます。
- 研究開発費の損金算入の拡大: 研究開発費の損金算入の対象範囲が拡大され、研究開発投資の負担を軽減することができます。
2. 所得税改正:働き方改革と個人の負担軽減を目的とした改正
令和6年度の所得税改正では、働き方改革の推進と個人の負担軽減を目的とした対策が中心となっています。具体的には、以下の変更が予定されています。
2.1 働き方改革を促進するための税制優遇
働き方改革を促進するために、新たな税制優遇措置が導入される予定です。
- テレワーク導入促進税制の拡充: 企業がテレワークを導入する際に受けられる税制優遇措置が拡充され、テレワーク導入を促進する効果が期待されます。
- 育児休業取得促進税制の強化: 育児休業を取得する従業員に対する税制優遇措置が強化され、育児休業取得を促進する効果が期待されます。
2.2 個人の負担軽減のための税制改正
個人の負担軽減のために、以下の税制改正が予定されています。
- 住宅ローン控除の拡充: 住宅ローン控除の対象期間が延長され、住宅取得時の負担を軽減することができます。
- 教育費控除の拡大: 教育費控除の対象範囲が拡大され、教育費負担の軽減につながります。
- 医療費控除の制度の見直し: 医療費控除の制度の見直しが行われ、高額な医療費の負担を軽減することができます。
3. 消費税改正:インボイス制度の導入による影響と対策
令和6年度の消費税改正では、インボイス制度の導入による影響が大きくなると予想されます。
3.1 インボイス制度とは
インボイス制度とは、事業者が受け取った仕入税額を控除するために、取引先からインボイス(請求書)の発行を求める制度です。
インボイス制度が導入されると、以下の様な影響が予想されます。
- 仕入税額控除の要件が厳格化: インボイスを受け取っていない場合は、仕入税額控除が受けられなくなります。
- 事業者の事務負担が増加: インボイスの発行・受け取りなど、新たな事務処理が発生します。
- 価格転嫁の可能性: インボイス制度の導入によって、消費税の価格転嫁が起こる可能性があります。
3.2 会計士がすべき対応
会計士は、インボイス制度導入に向けて、以下の対応を行う必要があります。
- クライアントへの情報提供: インボイス制度の導入によって、クライアントの事業にどのような影響があるのか、具体的な情報提供を行い、適切な対応を支援する必要があります。
- インボイス制度に関する知識習得: インボイス制度に関する最新の情報を収集し、適切なアドバイスを行うための知識を習得する必要があります。
- 会計システムの変更対応: クライアントがインボイス制度に対応できるよう、会計システムの変更対応を支援する必要があります。
4. 税制改正対応のための会計士の役割
会計士は、税務に関する専門知識を活かし、クライアントの税務対策を支援する重要な役割を担っています。
令和6年度の税制改正では、企業や個人が対応すべき事項が多く、会計士の役割はますます重要になってきます。
会計士は、以下の様な対応を行うことで、クライアントの税務対策を支援できます。
- 税制改正に関する最新情報の収集と分析
- クライアントの事業状況や資産状況に基づいた最適な節税対策の提案
- 税務申告書の作成・提出の支援
- 税務調査対応の支援
- インボイス制度導入に関するコンサルティング
5. 最新情報を入手し、クライアントをサポートしよう
令和6年度の税制改正は、企業や個人の経営活動に大きな影響を与える可能性があります。会計士は、最新の税制改正情報を常に把握し、クライアントに適切なアドバイスを提供することで、クライアントの事業の安定と発展に貢献することが求められます。
常に最新の情報を収集し、クライアントをサポートすることで、信頼される会計士として活躍していきましょう。
参考記事
- どうすればいいの?「電子帳簿保存法」 | 経済産業省 中小企業庁
- 国税庁「電子帳簿保存法関係」
- 国税庁・電子帳簿保存法関係/参考資料(各種規程等のサンプル)
- プロフェッションネットワーク[PROnet|プロネット]
- 相続・事業承継対策、生前贈与対策など資産税特化の、TMBグループ・税理士法人トータルマネジメントブレーン
参考文献
- 令和6年度税制改正大綱
- 税務会計専門誌
- 会計ソフト会社ウェブサイト
免責事項:
本記事は情報提供を目的としたものであり、税務アドバイスを目的としたものではありません。税務に関するご相談は、税理士などの専門家にご相談ください。