調剤事務の仕事内容や必要なスキル、資格について詳しく知りたいけど、どこから調べればいいか分からない方も多いのではないでしょうか？
この記事では、調剤事務の仕事内容や1日のスケジュール、必要なスキル、資格、メリット・デメリット、将来性について詳しく解説します。
調剤事務に興味がある方、スキルアップを目指したい方、キャリアに悩んでいる方、転職を検討している方、調剤事務を採用したい人事や経営者の方必見です。
目次
調剤事務の仕事内容とは？
調剤事務は、薬剤師と連携して、患者さんが安心して薬を受け取れる環境を作るための重要な役割を担う仕事です。
具体的には、患者さんの受付や会計、処方箋の入力、レセプト作成、医薬品の管理など、幅広い業務を行います。
調剤事務の具体的な仕事内容
調剤事務の仕事内容は、大きく分けて以下の5つになります。
- 受付・患者対応
- 患者さんの来局時、笑顔で挨拶し、保険証や処方箋を受け取ります。
- 患者さんの情報を確認し、薬剤師への引き継ぎを行います。
- 患者さんからのお薬に関する質問に答え、丁寧に説明します。
- 電話対応や予約対応なども行います。
- 処方箋入力・薬歴管理
- 処方箋の内容を専用のシステムに入力し、調剤録を作成します。
- 患者さんの薬の服用歴やアレルギー情報などを記録した薬歴簿（カルテ）を作成・管理します。
- 薬剤師が調剤しやすいように、処方箋の内容を整理します。
- 会計・レセプト業務
- 薬剤費を計算し、患者さんに請求します。
- 保険請求に必要な書類であるレセプトを作成し、保険者に提出します。
- レセプト請求に関する事務処理を行います。
- 医薬品管理
- 新しく入荷した医薬品の発注や点検、在庫管理を行います。
- 薬品庫の整理整頓を行い、適切な保管状態を維持します。
- 薬剤師が必要とする医薬品を準備します。
- 薬剤師の補助
- 薬剤師の指示のもと、薬の包装やラベル貼り、調剤補助などの業務を行います。
- 薬品の在庫管理や発注業務をサポートします。
調剤事務の1日のスケジュール例
調剤事務の1日のスケジュールは、勤務する薬局や業務形態によって異なりますが、以下のような流れになることが多いです。
- 午前
- 8:30 出勤、清掃、レジ準備
- 9:00 患者さんの受付開始、処方箋入力、薬歴管理、会計
- 12:00 お昼休憩
- 午後
- 13:00 患者さんの受付、処方箋入力、薬歴管理、会計、レセプト業務
- 18:00 受付終了、レジ締め、整理整頓
- 19:00 終業
調剤事務の仕事で求められるスキル
調剤事務の仕事には、コミュニケーション能力や事務処理能力、薬に関する知識など、様々なスキルが求められます。
- コミュニケーション能力
- 患者さんと接する機会が多いため、明るく丁寧な対応が必要です。
- 患者さんの質問に分かりやすく答えられるよう、説明能力も必要です。
- 薬剤師や他のスタッフとの連携をスムーズに行うために、円滑なコミュニケーション能力が重要です。
- 事務処理能力
- 処方箋の入力やレセプト作成など、正確に事務処理を行う能力が必要です。
- パソコン操作やデータ入力などのスキルも必要です。
- 集中力と正確性を持ち、複数の業務を効率的にこなすことが求められます。
- 薬に関する知識
- 薬の名前や効能、副作用などの基本的な知識があると、患者さんへの説明や対応がスムーズになります。
- 薬に関する知識は、仕事をしながら学ぶこともできます。
調剤事務のメリット・デメリット
調剤事務は、やりがいのある仕事ですが、一方で責任感や正確性が求められる仕事でもあります。
調剤事務の仕事をするメリットとデメリットを理解した上で、自分にとって最適な仕事かどうか判断しましょう。
調剤事務のメリット
- 誰でも目指せる
- 調剤事務になるために特別な資格は必須ではありません。
- 未経験者でもチャレンジしやすい仕事です。
- 安定した仕事
- 高齢化社会に伴い、薬局の需要は高まっており、調剤事務の仕事も安定しています。
- 人とのつながりを感じられる
- 患者さんと直接コミュニケーションをとる機会が多く、感謝の言葉を直接聞くこともできます。
- スキルアップできる
- 薬に関する知識や、事務処理能力、コミュニケーション能力など、様々なスキルを身につけることができます。
- 働き方が選べる
- 正社員、パート、アルバイトなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。
調剤事務のデメリット
- 土日祝日が休みとは限らない
- 薬局の定休日に合わせて出勤するため、土日祝日が休みとは限りません。
- 責任が大きい
- 薬は人々の健康に直接関わるものなので、ミスは許されません。常に丁寧で正確な対応が求められます。
- 事務作業が多い
- 受付や会計、レセプト作成など、事務作業が中心になります。
- 体力的にきつい場合がある
- 立ち仕事が中心で、患者さん対応などで、体力的にきついと感じる場合があります。
- 給与が低い傾向にある
- 調剤事務の仕事は、他の事務職と比べて給与が低い傾向にあります。
調剤事務の仕事に役立つ資格
調剤事務の仕事に必須の資格はありませんが、資格を取得することで、スキルアップや転職に有利になる場合があります。
調剤事務に関する資格には、以下のようなものがあります。
- 調剤事務管理士®
- 技能認定振興協会(JSMA)が主催する資格で、調剤薬局事務の実務で必要なスキル全般を証明できます。
- 受験資格はなく、試験は毎月実施されています。自宅で受験可能です。
- 調剤情報実務能力認定試験
- 特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会が主催する試験です。
- 試験は教育指定校と指定団体のみで行われるため、指定の予備校などへの通学が必要となります。
- 調剤報酬請求事務専門士
- 一般社団法人専門士検定協会が主催する資格で、調剤報酬に関する専門家として働ける資格です。
- 1級～3級まで難易度に応じて3つのレベルがあります。
- 医療保険調剤報酬事務士
- 医療保険学院が主催する資格です。
- 医療保険学院が行う通信講座を受けて、確認テストと卒業試験に合格すると、資格を取得することができます。
これらの資格は、調剤事務の仕事で必要な知識やスキルを体系的に学ぶことができます。
調剤事務の将来性
高齢化社会の進展に伴い、薬局の需要はますます高まっています。それに伴い、調剤事務の仕事も需要が高まっていくことが予想されます。
特に、かかりつけ薬剤師の増加により、患者さんの薬の管理や服薬指導などの役割が重要視されるようになり、調剤事務の仕事はますます重要な役割を担うと考えられます。
まとめ：調剤事務は安定した仕事として、将来性も高い
調剤事務は、誰でも目指せる安定した仕事であり、将来性も高いと言えます。
患者さんと直接コミュニケーションをとる機会も多く、やりがいを感じられる仕事です。
調剤事務に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。