「プロダクトマネージャーは忙しいと言われるが本当なのか?」
「実際何が大変なのか?」
プロダクトマネージャーの仕事は多岐に渡りますが、実際どんなことをしているのかはなかなか分かりづらいかもしれません。
10年近くプロダクトマネージャー(PdM)として働いた経験を元に、実際何が大変なのか、逆にプロダクトマネージャーの仕事の何が面白いのかについて紹介します。
プロダクトマネージャーの仕事に興味のある人に少しでも参考になったら幸いです。
こんな方におすすめ
どのようにデザイナーに依頼すれば良いか知りたいエンジニア
プロダクトマネージャーを目指していて、デザイナーとの仕事の進め方に不安がある人
デザイナーを含めたチームビルディングに悩んでいるマネージャー
目次
プロダクトマネージャーが大変だと思う理由5つ
求められるスキルが多い
プロダクトマネージャーは、求められるスキルや知識が多くなりがちです。
立場上、ビジネスサイドとエンジニアサイドの間に立つことが多く、エンジニアからセールス、マーケターなどあらゆるステークホルダーと議論、時には交渉しながらプロジェクトを進めていかなければなりません。
専門職まで深い知識までは求められませんが、最低限の知識がないとあらゆるステークホルダーと連携することはできません。
また、プロジェクト初期の場合、事業立ち上げの側面もあるため、技術的な知識の他に事業開発的なマインドセットも求められます。
こちらが求められるスキルの例です。
- Web開発の知識(フロントエンド・バックエンド)
- モバイルアプリ開発の知識
- インフラに関する知識
- UI/UXに関する知識
- データ設計に関する知識
- プロダクトマーケティング
- チームビルディング
- 企画力
- 法務に関する知識(利用規約など法的な整備が必要)
- プロジェクト管理能力
- 調整力
- 交渉力
挙げ出すとキリがありませんが、多様なステークホルダーを巻き込みながらプロダクトを作り上げていくことが求められます。
責任感(コミットメント)が求められる
プロダクトマネージャーはプロダクトに関する全責任を負います。
リリースの遅延、スケジュール調整の失敗など、プロダクトを作るということは一筋縄ではいきません。
不測の事態や顧客からのクレーム、システム障害など、日々ありとあらゆるトラブルが発生します。
プロダクトマネージャーはあらゆる障害に向き合い、諦めずに粘り強く対応することが求められます。
あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションが必要
さらにビジネスサイド、エンジニアサイド、あらゆるステークホルダーと連携しながら司令塔として全体を統括することが求められます。
社内だけでなく、顧客・ユーザにヒアリングする場面も多く存在します。
立場やバックグラウンドが異なる人と協働するには、自分の視点だけでなく、多角的な視点で物事を捉え、俯瞰しながら状況を整理していく必要があります。
利害関係を調整するには、時には押し、時には引きながら落とし所を見つけていく交渉力も必要です。
プロダクトマネージャーに求められるコミュニケーション力とは、単なる関係性構築力ではなく、プロダクトを成功に導くために 周囲をコントロールしていく力です。
膨大な判断力・決断力が求められる
プロダクトマネジメントには、正解がありません。
大抵の場合、最適な判断ができるだけの時間も、情報も不測しています。
限られた情報、リソース、時間の中で最適な解を見つけていかなければなりません。
受託開発の場合は、ある意味で顧客の要求が答えでもあります。対象の1社に合わせた開発は、作るものに対する不確実性は低いと思います。(その分、違う難易度はありますが)
しかし事業会社やスタートアップが作るプロダクトは、ある一定の規模で構成される顧客群に向けて開発されます。
当然全てのユーザ、顧客が正解を教えてくれるわけではありません。
しかもプロダクトとして形にしていくには、プレゼン資料に載せたイメージと比べ物にならないほど細かい要素で構成されています。
シンプルな機能だとしても、膨大なパターンから考え抜いた1パターンを組み合わせて構築していく必要があります。
制約もあり、また不確実性が高い状況で、ベストだと考えた決断を積み重ねていく。
プロダクトを世に出すためには、膨大な判断力、そして決断力が求められます。
常に勉強が必要
プロダクトマネージャーとして、常に最新の技術やトレンドをキャッチアップする姿勢が求められます。
必ずしも最新技術を取り入れる必要はありませんが、技術トレンドとその背景を知っておくことは、プロダクトを作る上で選択肢も増え、より精度の高い意思決定ができるようになります。
新しい技術を取り入れることで業務の効率化を計ったり、今まで提供できなかった価値をプロダクトに付与することができるようになるかもしれません。
また技術だけではなく、市場の変化やユーザの消費行動の変化など、世の中の動きをチェックしておくことでプロダクト開発に活かせる可能性もあります。
常にアンテナを張っておき、プロダクトの成長のために何が必要か考え抜きましょう。
プロダクトマネージャーになるメリット4つ
さて、ここまでプロダクトマネージャーの大変なところを挙げてきました。
このままだと大変なイメージだけが強くなるので、最後にプロダクトマネージャーをやるメリットについて触れておきます。
- プロダクトの成功に大きく貢献できる
- キャリアの幅が広がる
- ユーザや顧客に価値が届いたときの達成感
- 年収が上がる
プロダクトの成功に大きく貢献できる
プロダクトマネージャーはミニCEOと言われるほど、プロダクトに関して与えられる裁量が多いことが特徴です。
責任も大きいですが、その分貢献度合いも大きいです。
裁量を持ってプロダクトをグロースさせたい。主体性を持って成果を出したいと考える人には向いているでしょう。
キャリアの幅が広がる
一度プロダクトマネージャーを経験しておくと、ビジネスサイド、開発サイド両方の理解が深まります。
もう少し開発サイドに立ちたければプロジェクトマネージャー(PjM)のロールを担当してもいいですし、ビジネスサイドに関心があればBizDevやマーケターにチャレンジするということも可能だと思います。
最近はプロダクトマネージャーの中でも、よりマーケティングを専門に担当するプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)と呼ばれるロールを採用するケースも増えてきました。
このように、ビジネスとエンジニアリングのハブになるという性質上、プロダクトにまつわるあらゆる職種へのキャリアにチャレンジできる可能性があります。
一通り経験してみて、またプロダクトマネージャーに戻るというのもスキルアップのために有効です。
あらゆるスキルを身につけたいジェネラリスト志向の人に向いているでしょう。
ユーザや顧客に価値が届いたときの達成感
当然成功するまでは、たくさんの試行錯誤が必要で、時には失敗することもあるでしょう。
ただ自分で仮説検証し、デザイナーとエンジニアと協力しながらリリースされた機能によってユーザや顧客に喜んでもらえたとき、大きな達成感を味わうことができます。
個々の成果だけでなく、チームとして成果を出したい人には向いていると思います。
年収が上がる
プロダクトマネージャーは、IT業界を中心にとても需要が高まっています。
年々需要が高まっている割に、市場には少ないため、必然的に年収レンジも上がる傾向にあるようです。
indeedによれば、日本のプロダクトマネージャーの平均年収は740万(2022年7月時点)とされており、会社によっては1000万を超えるケースもあり、業界の平均年収から比較しても高い水準と言えるでしょう。
現在のキャリアを続けていくのに不安な人は、次のキャリアとして選択肢に入れても良いかもしれません。
プロダクトマネージャーの経験を持つ人がそもそも市場にあまり存在しないため、未経験からでもキャリアチェンジを狙うことはできると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はプロダクトマネージャーが大変だと思う理由と、メリットについて紹介しました。
個人的には、日本でももっと多くの人がプロダクトマネージャーにチャレンジして欲しいと思っています。
やはり日本では、まだまだ欧米に比べてプロダクトマネージャーの重要性が低いと感じることが多いからです。
日本でもプロダクトマネージャーが増えることで、グローバルで戦えるプロダクトがどんどん生み出されていくことを願っています。
また、主観にはなりますが、プロダクトマネージャーとして成果を出せる人は、どの現場でもやっていけるくらいポテンシャルが高い人だと思います。
興味がある人は、ぜひチャレンジしてみてください。
今回の内容が少しでもお役に立てたら幸いです。